【インタビュー】自明性 覆される 面白さ 文学部社会学研究室 青木聡子教授

 今年度、本学文学部社会学研究室に赴任した青木聡子准教授。宮城県出身で、博士後期課程を本学大学院で過ごした彼女が、自身の研究分野と社会学の魅力、本学の特徴について語る。


―自身の研究分野は

 環境社会学と社会運動に関する研究をしています。社会運動と聞くと「過激な」ものを想像しがちですが、「穏健な」NPOやボランティアの活動も社会運動に含まれます。そして同じ環境保全活動に従事する人々でもよく見てみると、守るべき環境や、守る方法についての考え方が人によって違うことが分かります。そうした違いにどのように折り合いをつけるかを研究するのが環境社会学の課題です。


―社会学に興味を持ったきっかけは

 小学生の時にチェルノブイリ原発事故に衝撃を受け、当時住んでいた宮城県内にあった女川原発に恐怖心を持ったのですが、周囲の大人が一時的に声を上げていたもののやがて鎮静化してしまったことに違和感を抱いたのが社会運動に興味を持ったきっかけだったと記憶しています。


―東北大の特徴は

 他大学と比較して、学びに貪欲な学生が多いという印象があります。簡単に好成績を取れる授業を履修するのではなく、自分の興味があることを幅広く学ぼうという意識を持った人が多いように思います。


―高校生に伝えたい社会学の魅力は

 日常生活の中で社会や政治とつながりのないものはほとんどありません。社会学の研究をしていると、今まで当然だと思っていたことの自明性をひっくり返されることがあり、私はそこに面白さを感じています。また、自分とは異なる価値観を持つ他者の考えに想像力を働かせるという普遍的な力を養うのにも社会学は長けていると思います。機会があれば、ぜひ社会学を学んでみてほしいです。

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