成績を語る ~社会的影響 小さくあってほしい~

成績のあり方について語るAさんとBさん 

 大学の成績制度は、評価される要素が多様だったり、担当教員により基準が違ったりと、高校までと大きく異なる。本学学生にとって成績とはどのような存在なのか。また、成績の位置付けは、取得単位数や成績によって変わるのか。1年次に42単位を取得しGPAは3.5だったAさん(文・2)と、50単位を取得しGPAは2.8だったBさん(工・2)に話を聞いた。 
(上野日菜多)

♢ ♢ ♢

―大学の成績をどう位置付けているか


A 私が所属する文学部では、2年次に学部の専修を選びます。希望通りの分野に進むには、特定の科目で良い成績を取る必要があります。最初はそれらの科目で好成績を取ろうという意識でしたが、他の科目にも熱心に取り組む意識が生まれたと思います。

B 僕の所属する工学部機械知能・航空工学科では、成績は主にコース決めと研究室決め、大学院試験の免除のために必要です。判断基準としてGPAが用いられるため、どの科目もまんべんなく好成績を取らなければいけません。
 僕が進みたいコースは倍率が高いわけではありません。だからといって妥協したわけではかったのですが、あまり良い成績は取れませんでした。



―日本社会における大学の成績はどのような存在であってほしいか


A 興味のある分野を成績にとらわれず学びたいので、社会的影響力は小さくあってほしいです。勉強するときに気にならないのが理想です。大学の成績は学校や学部によって基準が違うので、基準として妥当ではないと思います。

B 特に進学の際に、学校の成績が影響してほしくありません。大学に限らず中学や高校の成績も、良い学校に進学する上でのかせになってしまう場合があります。成績が影響する範囲は、学校の中で完結してほしいです。

A 大学卒業後は就職を考えていますが、その際に大学の成績が関わってほしくありません。それよりも、自分の個性を見てほしいです。

B 僕は他大学の大学院への進学を考えており、本学での成績は進路にあまり影響しません。しかし、大学院の入学試験に向けて実力をつける必要があります。成績は目的ではなく、実力を伸ばした結果としてついてくるものなのかなと思います。