【東北大学の魅力】植物園 希少なモミ林 ありのまま

 川内南キャンパスと青葉山東キャンパスの間に位置する、本学植物園。都市近郊にありながらも、ほとんど人の手が加えられていない、希少で大規模なモミ林を見ることができる。


 本学植物園は、温室の中に珍しい植物を集めた人工的な植物園とは違い、丘陵地の一部を丸ごと敷地とし、ありのままの自然に触れられることに重きを置いている。そのほとんどはモミ林で構成されており、環境省が実施している、日本各地の自然環境の変化を観測するプロジェクト、モニタリングサイト1000をはじめとして、多くの研究に活用されるなど、その希少性は折り紙付き。宮城県の位置する緯度帯ならではの、カシ類とモミが入り混じった植生も、その希少性を高めている。


 コロナ禍により人の出入りが減った影響でイノシシの活動が活発になったため、4月1日から安全を考慮して限定開園となっている。本学植物園は国の天然記念物に指定されているため、他の植物園のように動物用の罠を設置できず、限定開園終了の目処は立っていない。しかし、前庭、ロックガーデン周辺、展示室の3カ所には現在でも立ち入ることができ、モミ林や季節の植物を見ることができる。一般の人にも、自然に囲まれた環境は人気を博しており、毎日のように訪れる人や昼食を食べに来る人もいる。

イノシシの注意看板


 オープンキャンパスが開催される7月頃は、ロックガーデンでヤマユリやキキョウ、オオウバユリが見頃だ。運が良ければ鳥類やリスなどの野生動物も見ることができる。開園時間は午前10時~午後3時。限定開園のため入園料は無料だ。